Pharma

グローバル製薬企業が、S/4HANA のコアをクリーンに保ちながら、SAP BTP を活用してデータ保守を自動化

08 of May 2025

インテリジェントオートメーションとクラウドネイティブアーキテクチャによる資産データ管理の効率化

スイスに本社を置くグローバル製薬企業は、診断機器やソフトウェアソリューションを含む自社アセットのデータ保守を自動化し、手作業の負荷を削減するとともに、複数システム間でのデータ同期を実現することを目指していました。
Fusion Consulting は同社と連携し、要件の整理から設計・実装までを担うカスタマイズされた自動化ソリューションを構築し、データソース全体での完全なデータ同期を可能にしました。

Global Pharmaceutical Leader Automates Data Maintenance Using SAP BTP Platform While Keeping the S/4HANA Core Clean

 

企業が抱えていた課題

同社は、顧客に販売したアセット(例:診断機器やソフトウェアライセンス)を、SAP S/4HANA システム上で機器および設備場所(ファンクショナルロケーション)として管理していました。

主要な課題には、以下が含まれていました:

  • システム間でのデータ不整合
    アセットデータはデバイスのライフサイクルに応じて個別に管理されていたため、記録内容に矛盾が生じ、信頼できる単一の情報源が存在しない状況となっていました。
  • 統合性の不足
    各種システムやプラットフォーム間の連携が不十分で、シリアル番号や保守履歴といった情報が分散し、しばしば最新化されていない状態でした。

  • 標準化の欠如
    命名規則、分類、構造が統一されておらず、グローバルでのデータ分析やスケール展開が困難でした。
    また、各システムでは断片化されたデータ構造を補うために複雑なカスタマイズや独自コードが実装されていました。
  • コンプライアンスおよび監査リスク
    アセットデータは、GxP、FDA、ISO などの規制要件に準拠する必要がありました。
    しかし、手作業での管理が多く、非遵守や監査上の問題が発生するリスクが高まっていました。

当社のアプローチ

Fusion Consulting は、SAP BTP を基盤とした将来を見据えた自動化ソリューションの定義、設計、導入に向けて、クライアントと緊密に連携して取り組みました。

自動化コンセプトとフレームワーク設計

  • BTP の Event Mesh、Business Process Automation、Decision Tables、CAPM サービス、Process Visualization などの機能を活用し、自動化フレームワークを構築しました。
  • 独自実装されていたカスタムコードを、ベストプラクティスおよび BTP ネイティブの機能へ置き換えました。
  • 資産データのライフサイクルに基づく自動メンテナンスを実現し、手作業による介入を削減しました。
  • 他のプロセスやシステム、プラットフォームと連携できるよう、拡張性を考慮した設計としました。

スムーズな連携

  • 複数のデータソースをリアルタイム処理で統合しました。
  • 既存のミドルウェアやマッピングを活用し、最適な連携を実現しました。
  • システム全体をシームレスにつなぐため、インターフェースのコンセプトを設計しました。
  • セキュリティ、監視、エラー処理などの重要要素も組み込みました。

Centralized Data Processing

  • 自動化フレームワークに沿った、中央集約型のデータガバナンスモデルを確立しました。
  • 高いデータ品質を維持するため、データオーナーシップモデルとルールブックを導入しました。
  • システム障害時に手動対応を可能にするため、バックアップの MDG ワークフローを導入し、ネットワーク全体で一貫性を確保しました。

結果

完全自動化されたデータメンテナンス

  • 人手を介さずに資産データを自動で作成・更新し、エラーを最小限に抑えました。
  • 診断装置やソフトウェアライセンスを含む、資産のライフサイクル全体をエンドツーエンドで管理します。

クリーンコアの実現(SAP S/4HANA)

  • 10 件以上のカスタムテーブルや複雑なコードを排除し、テクニカルデットを回避してクラウド対応の環境を実現しました。

データガバナンスとデータ品質の向上

  • 複数のソース間で階層構造を統一しました。
  • データのオーナーシップを明確化し、中央集約型のデータ管理を確立しました。
  • 長期的な信頼性を支える安定したデータモデルを構築しました。

相互接続されたシステム

  • 7 つ以上のシステムおよびデータソース間でリアルタイムに同期を実現しました。
  • 可視化ダッシュボードと堅牢なエラー処理メカニズムを備えています。

コンプライアンス強化と監査対応力の向上

  • 資産データの完全なトレーサビリティにより、規制上の透明性と監査準備性を確保しました。

全事業部門でのスケール対応

  • 再利用可能な自動化フレームワークにより、新たな地域・国・事業チームを迅速にオンボーディングできるようになりました。

Expert Insight

「自動化は未来への鍵です——この事例は、Fusion Consulting がインテリジェントオートメーションを通じて、組織の効率性・正確性・イノベーションを新たなレベルで引き出す方法を示しています。」
— Neelam Daulat, Partner & Global Account Lead

結論

Fusion Consulting は、ソリューションアーキテクチャから自動化ワークフロー、スケーラブルな統合に至るまで、強固な自動化戦略の構築と導入において重要な役割を果たしました。その結果、将来にわたって有効で、効率的かつコンプライアンスに準拠したデータ環境が実現し、グローバルでの一貫性と卓越したオペレーションを可能にしました。